たばこ株分析

大麻合法化とたばこ会社の動き

投稿日:2018年6月24日 更新日:

カナダが大麻を合法化するようです。今年の10月から、大麻の栽培・使用が合法化されるということです。市場規模は2020年には7000億円くらいになるとのことです。

カナダには大麻関連企業があり、ニューヨーク証券取引所に上場されている企業もあります。

大手のCanopy Growth Corporationという会社はNYSEにも上場されています。下記はトロント証券上場分ですが2018年6月22日の時価総額は87億カナダドルです。一方フィリップモリスの時価総額は1246億米ドルですので、たばこ会社と比べると大麻関連企業の企業規模というのはまだまだ小さいという状況です。

ただし、株価の伸びは素晴らしいです。上場してから10倍くらい値上がりしています。

トロント証券取引所に上場しているAurora Cannabisという会社も値上がりしています。

Canopy Growthですが、2017年3月期の売上は4000万カナダドルということでたったの40億円弱くらいです。ただ、売上は前年比3倍近く伸びています。まだ利益は出ておらず、営業キャッシュフローもマイナスとなっています。

そんな会社に87億カナダドルもの時価総額がついているということで、個人的には期待先行で高値がついているのかなと思っています。残念ながら日本のネット証券では、これらの大麻関連企業は取り扱っていないので、我々個人投資家が低コストで手軽に購入できる銘柄ではないようです。

ところで、たばこと大麻は競合製品と言えると思います。いずれの商品もふとしたときにリラックスするため、もしくは知り合いとおしゃべりの途中に使用するという製品です。さらに中毒性があるというのも特徴です。

この記事に、たばこ会社が大麻についてどのように考えているか、記載があります。

Sensing Big Bucks, Tobacco Companies Pivot Toward Marijuana

若干意訳になりますが、1970年にフィリップモリスが「我々は人々が退屈な時、落ち込んだ時、緊張しているときにリラックスできるような商品を使用する。我々のビジネスの脅威となるのは、同じようなニーズを満たす商品を社会が見出した時だ」と述べているようです。そして、多くの人がマリファナのほうがたばこよりも、「ふとした時のリラックス」というニーズを満たしてくれると考えているようだ、とたばこ産業の研究者が考えていたとのことです。

つまり、大麻が合法化されるということは、たばこにとって脅威となる競合品が出てきたということになります。

現時点で、たばこ市場は大麻市場と比較し規模が圧倒的に大きいのですが、そのうち大麻市場が成長してたばこ市場を侵食するかもしれません。そうなると、たばこ会社としては「脅威」ということになります。



大手のたばこ会社は手をこまねいているわけではなく、着々と大麻市場への進出も考えているようです。世界4位のイギリスのたばこ会社であるインペリアル・ブランズは取締役に大麻ビジネス経験者を迎えていますし、そもそも「インペリアル・タバコ」から「インペリアル・ブランズ」に社名を変更したということは、タバコ以外の商品にも手を広げるという意図があるのでしょう。

フィリップモリスも大麻栽培に関する特許を保持しているということで、大手たばこ企業は大麻ビジネスへの参入の準備を進めていると考えていいでしょう。マルボロ、ラッキーストライクといったブランドで大麻が販売されるかもしれません。もしくはCanopy Growthといった会社と買収して大麻ビジネスを進めるかもしれません。大麻の税率などにもよりますが、大手たばこ会社にとって大麻はドル箱の新商品となる可能性もあります。

しかし、もしたばこよりも大麻のほうが利益率が低いということになると、大手たばこ会社としては、より利益率の高い自社製品と食い合ってしまう商品を積極的には進めにくいという状況になります。まさに「イノベーションのジレンマ」となり、大麻を進めようかどうか逡巡している間に、Canopy Growthといった新興の企業が大麻市場を制覇し、たばこ市場を侵食していくというのが、大手たばこ会社にとっての悪夢のシナリオになり得ると思います。

結論としては「大麻合法化により、たばこ会社は大麻ビジネスにも進出する(と思う)が、うまく行くかどうかはまだ分からない」ということです。必ずしもバラ色の未来が待っているというわけではないと思います。しかし現時点では大手たばこ会社は、大麻製造会社よりも圧倒的に規模が大きいですし、うまく対処すれば大麻合法にもうまく対応できる力はあると思います。が、実際にうまくいくかは誰にもわかりませんが・・・・。

今回の合法化の背景には、大麻はたばこやアルコールよりも人体への悪影響が軽微であること、そして法律により禁止して犯罪組織の資金源にするよりも、合法化して犯罪組織の資金源を断つ方が良いという判断があったということです。今後、他の国でも大麻が合法になるのか、さらに合法化された場合はたばこ市場にどのような影響を与えるのか、注意深くウォッチしていきたいと思います。

 







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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