日本企業について

日本企業に業務効率化は不可能

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私が株で経済的自由を目指すのは、このまま日本のサラリーマンとしての収入・年金だけでは将来的に破綻すると考えているからです。私はいわゆる「親が安心する」大企業に勤めているので、私の親にあたる一世代前の方から、サラリーマンをしていれば十分じゃないか、とのお言葉を受けそうです。とはいえ・・・大企業を中から眺めていると、おそらく定年までに日本の大企業は全部厳しくなるな・・という思いが年々強まっています。

その一つは業務効率化の在り方です。

日本の製造業における業務効率化は目を見張るものがあると思います。トヨタ生産方式は海外ではリーンプロダクションと名前を変え、世界中の研究者・製造業から称賛されています。

トヨタ生産方式に関する情報は書籍・ネットで手に入りますので、ここでは詳細を記載しませんが、特徴の一つに「多能工」というものがあります。「多能工」とは、ひとつだけではなく、複数の作業を行うことができる工員のことをいいます。こんことで、生産負荷が低いところから高いところに多能工を移して作業をさせたり、複数の仕事を一人の多能工が行うなど、効率的にモノづくりができるようになります。

ところが、多能工と同様に、「どんな仕事もそこそこ出来る」ゼネラリストで構成されている日本の大企業のホワイトカラーの仕事は、製造現場と異なり、非常に生産性が低い状況です。ブルームバーグの記事やあらゆるニュースで日本の生産性、特にホワイトカラーの生産性が低いということが過去よりずっと指摘されています。

なぜ日本のホワイトカラーの生産性が低いのか?

様々な要因が複雑に絡み合っているため、一概に「これ」という原因を特定するのは難しいです。ただし日本の伝統的な大企業は共通してホワイトカラーの生産性が低いといわれています。となると日本の大企業に共通の制度が、日本のホワイトカラーの低生産性につながっている、と言えるでしょう。

 

日本の大企業に共通の制度は?

日本の大企業に共通の制度は「年功序列」「終身雇用」です。この制度がホワイトカラーの低生産性につながっていると考えるのは自然なことですね。

何もしなくても年を取れば勝手に給料が上がる「年功序列」、そして何もしなくても定年まで首にならない「終身雇用」。このような制度なら、一度入社したサラリーマンは仕事で成果をあげるよりも、周囲の目を気にしつつ、無難に毎日をすごすというインセンティブが働いてしまいます。

しかしながら、多くの日本のサラリーマンは一生懸命仕事をしているように思います。サボるインセンティブが内在されているとはいえ、多くの人は一生懸命働いています。中には、年功序列・終身雇用という制度の利点を使い倒す「働かないおじさん」もたくさんいますが。

となると、一生懸命働いても、成果につながらないことをひたすら行っているということになります。成果につながらないのに、時間ばかりかかる・・・となると大企業で働いている人ならだれもが苦しむ「社内調整」「稟議書」「説明資料作成」という仕事、こればっかりやっているというのが低生産性の要因の一つでしょうね。

どんなに成果を上げようとしても、仕事の効率化しようとしても、物事を動かすには社内の説得・調整に時間が掛かりすぎるのが日本の大企業の在り方でしょう。それで意思決定の質が上がり、業績が年々伸びているのであれば問題ないのかもしれませんが、日本の大企業のROEはアメリカ企業などと比較すると非常に低く、丁寧な意思決定が業績向上につながっているわけではありません。

 

なぜ社内調整に時間がかかるのか?

ズバリ言うと、「個々人の業務範囲が明確ではない」からだと思います。個々人に「あなたの業務分掌は○○」と明確に記述された文書がありません。自分の裁量でどのまでの判断をしてよいのか、分かりません。なので、報告・連絡・相談という言葉に表されている通り、みんなに相談して、組織内でなんとなく「これでいいかな」というコンセンサスをとってから初めて物事を意思決定できます。

このコンセンサスを取るという作業のために、説明用の資料を作り上司にチェックされます。当然人によって資料の「分かりやすい」「分かりにくい」の感じ方は異なり、最後は内容ではなく上司の好みで文章を直された挙句、上司の上司から、結局元の案にもどされる・・・これが大企業サラリーマンの日常だと思います。さらに日本人はみな真面目なので、明らかにどうでもいいような上司からの指摘も、一生懸命時間を割いて取り組みます。こんなことでは時間とコストばかりかかり、海外の企業に負けてしまうのは目に見えています。

一方、欧米ではジョブディスクリプションという業務範囲と裁量が明確に記載された契約書が個々人に渡され、サラリーマンはジョブディスクリプションに規定された仕事を行うことになります。日本のようになんでもかんでも報告や相談をする必要がないので、社内調整に多大な時間をかける必要がありません。

日本企業も個々人の業務を明確化すればよいのでは?

誰もがそう思います。ただし、年功序列・終身雇用のもとでは個々人の業務を明確化したら困ることがります。それは、年齢が上だから、給料の高い業務を与えられるわけではありませんし、そもそも会社が無駄に抱えている「働かかないおじさん」に仕事を明確に与えることが出来ません。個々人の業務を明確化すれば、「働かないおじさん」何百人分を首にしないといけなくなった・・・という結果になるのは目に見えていますが、終身雇用なので定年まで解雇できません。というわけで、業務分掌を明確化することもできず、仕事ができる人に重要な仕事を任せ、そうでない人にどうでもいい仕事を任せるという、今までのやり方を継続するしかありません。

更に、日本企業には社長・会長を務めて会社に残っている「顧問」という存在があります。「顧問」の業務範囲・裁量を明確化した契約書などを作ることができません。日本では年上の人を過度に敬うような文化がありますが、そのような年上の元・社長に対し「これがあなたの仕事です」というような文書を突き付けるなど、現社長には恐れ多くて出来ないのです。

 

まとめ

長くなりましたが日本のホワイトカラーの生産性が低い理由は「個々人の業務範囲が明確でないから、意思決定のためのコンセンサスを得るのに時間とエネルギーを使い果たす」からです。さらにこれを修正できないのは、「年功序列で給料が決まるので、難しい仕事は年齢が上でないと割り振れない」「終身雇用なので、不要な社員を解雇できない」からです。

これらは私個人の感想ですが、大企業に勤めるサラリーマンは皆同じようなことを感じていらっしゃるのではないでしょうか?







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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