生き方

窓際族:日本における最適なキャリア戦略

投稿日:2018年6月10日 更新日:

日本独特の人事制度である「年功序列」と「終身雇用」にうんざりしている人は多いと思います。しかし、この人事制度を活用して「最小の労力」で「そこそこの給与」を安定して得る方法もあります。日本の組織でいかに効率的に給与という対価を得るのかを考察します。

高い給与水準の会社に入る

まず、入り口が肝心です。日本企業の場合は給与水準は会社によって異なります。同じような仕事をしていても、大企業のほうが給料水準が高い傾向があります。よって、新卒で大企業に入るということが重要となってきます。学生時代から、留学・スポーツといった日本の「就活」でアピールできるエピソードを作っておくことなどが取るべきアクションでしょう。ちなみに日本企業の多くは学生時代の成績考慮しないので、最小限の勉強でギリギリ「可」さえ取ればOKです。

もしくは日本の大企業に転職するというのも一つの手です。いずれにせよ、給与水準が高い会社に「入り込む」ことが第一歩となります。

日本企業の制度の特徴を理解する

一度日本の大企業に入ってしまえば、ほぼ成功したといってよいでしょう。まずは日本企業の制度について理解し、いかにローコスト・ミドルリターンを目指すかを考えます。

日本の人事制度の特徴は下記の2点です。

  • 「終身雇用」:60歳になるまで会社に雇用される。
  • 「年功序列」:給料は年齢で決まる。年齢が若い間は、どれだけ成果を上げようと給料は比較的低く、年齢が高くなれば高い給与を支払う。

「終身雇用」ということなので、日本の場合はいかに仕事が出来ない従業員であっても、解雇することが非常に困難です。むやみに解雇して、訴えられたら負けます。気骨のある人事担当者が、働かない人を解雇しようとしても、その人から後で「訴えられる」ことで、人事担当者にはバツがつきます。日本企業は減点主義なので、「会社が訴えられる」ようなことをしたら、その担当者は評価が下がります。よって、働かない人に対しては「厳罰を下す」のではなく「そっとしておく」ということが、人事担当者としての最適戦略となります。このため、働かない人はそのまま放っておかれるため、「働かないオジサン」と言われる働かない人が増殖します。

一方、新入社員の時からいきなり「働かない」戦略をとると、給料があがりません。年功序列とはいえ、さすがに働かない人間の給料を上げるようなことはしません。ある程度、少なくとも10年くらいは働きましょう。ゴルフ・飲み会などに行かなくても、仕事に真面目に取り組めば給料は上がります。ここで肝心なのは「結果を出さなくても」給料は上がります。よって、精神的に追い詰められるまで働く必要はありません。あくまでも「そこそこの給料」になるまで「淡々と仕事をこなす」ということが肝要です。

30代半ばの年齢になれば、そこそこの給料になっています。会社によって水準は異なりますが、手取りで500万円~800万円くらいにはなります。商社などはもっと金額が多いでしょうね。中途入社の方は、年齢にもよりますが、入社直後にこれくらいに水準になっているものと思われます。

日本では、従業員を簡単には解雇できないのと同時に、「従業員の給与を簡単には下げる」ことが出来ません。つまり、一度給料が上がれば、よほどのことが無い限り下がりません。プレジデントに分かりやすい記事がありました。

まとめると、従業員の視点で見ると、日本の大企業では、「10年くらい真面目に働けば、手取り500~800万円くらいになる」「あとは働かなくてもずっとその年収がキープされる」という特徴があります。

なぜ働かなくても仕事が回るのか

これは日本企業において、個々人の業務分掌が不明確だからです。「働かない」人がいても、周囲がカバーします。業務分掌が明確な企業だと、「働かない」人のために誰かがカバーすることはありません。図示すると下記の通りです。

上司の下に5人が居るチームがあるとします。日本企業では、各人の業務分掌が明確でなく、また上司も「みんながみんなを助け合ってくれ」という仕事の投げ方をします。調整は部下が自律的に行ってくれるので、上司は楽ができます。部下はみんなが各人と調整しつつ、仕事を進めていくことになります。日本企業が調整業務が多いのはこのためです。外資系企業から来た人が「日本企業は業務時間の半分を社内調整に費やしている」と言っていましたが、その通りです。

一方、欧米のように業務分掌が明確であれば、例えば「Aさん」の仕事を「Bさん」が手伝うことはありません。手伝うことで、逆にAさんから仕事を奪うことになります。仕事は必ず各個人に明確に帰属されます。

大変なのは上司です。仕事を明確に定義する必要があるほか、「誰の仕事でもない」というポテンヒットは上司みずからが対応しなければなりません。その代り欧米企業の管理職の給料は高額ということです。

日本企業の生産性が低いのはこのように「業務分掌」が明確でないため、調整に時間が掛かってしまうということが要因の一つです。

業務分掌を明確にすればこの課題は解決されるのですが、おそらく業務分掌はいつまでたっても明確にならないでしょう。それは、業務分掌を明確化すると「上司がポテンヒットを拾う必要がある」からです。つまり、今のままであれば、とりあえず神輿に乗っておけばOKな上司が、わざわざ「上司がポテンヒットを全部カバーする」ようなしんどい仕組みに変えるインセンティブが無いからです。

まとめ:窓際族を目指せ

働き方改革というのは現時点では「単なる時短」であり、「業務分掌を明確化し、働かない人間をクビにできるような仕組みをつくる」というような方向には進んでいません。日本企業は、基本的にいまの仕組みのまま、今後も運営されるでしょう。

「サラリーマンは単なる生活の手段」という人は、いかに楽をして「そこそこの給料」をもらうか、と考えると良いかと思います。上記をまとめると3つのアクションをとるというのが日本の最適なキャリア戦略ということになります。

  1. 給与水準のよい日本の大企業に入る。
  2. 30代中盤くらいまでは淡々と仕事をこなす。
  3. 生活に十分な年収を得たら、仕事の手を抜く。

会社に対し「楽な仕事をしたい。そんな俺を首にできないし給料も下げられないけどな」と面と向かって正論を言っても駄目です。

波風を立てず、徐々に仕事をしないキャラというのを確立させるのが、無難です。病気がちであるとか、精神的に調子が悪いとか適当な理由をつけて仕事をほっぽりだして定時に帰ると、徐々に仕事を振られなくなります。実際にこれを実行した先輩が居ました。さらにその先輩は夫婦で(奥様は別の会社ですが)これを実行したので、夫婦で9時5時、手取り年収は合計1500万弱を実現していました。これが日本企業で働くサラリーマンの、ひとつのあるべき姿かと思います。

以上、長々と書きましたが、もっとわかりやすくまとめてある漫画を発見しましたので紹介します。

【まんが】 新社会人よ、窓際を目指せ

ちなみに、私は今の仕事がそこそこ面白いので、まだ頑張ります。ただし、もし不本意な部署への転勤を命じられたら、「窓際族」を目指すと思います。

 

バリバリ仕事して出世しても、累進課税で手取りの給料はそんなに増えないうえに、今後日本経済と日本企業は厳しい状況に陥るのは確実です。身を粉にして会社に尽くしても、会社が傾いて絶望する可能性が高いと思います。

であれば、窓際族となり、余った気力・体力で副業や投資を行い、会社に頼らずとも自分と家族を守れるように準備を進める。これが日本の最適なキャリア戦略と言えるかと思います。







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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