たばこ株分析

高成長の電子たばこ企業JUUL

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今回は米国の新興電子たばこ企業であるJUULについて記載します。

JUULとは?

会社名と同じ「JUUL」(ジュウェルと読むようです。「宝石」の英吾読みですね)は2015年に販売した電子たばこです。グーグルで検索すれば画像が出てきますが、USBメモリのようなスティックを吸うという電子たばこです。電子たばこのiPhoneといわれているそうです。

個人的にはJUULという商品がスタイリッシュかどうかは分かりませんが、パッと見はUSBメモリのような製品です。これを口にくわえて消費します。

JUULのCEOからの手紙というのがサイトにあるので読んでみましたが、

  • アメリカでは3800万人、世界では10億人もの人々がまだ喫煙している。喫煙により世界的に健康が害されている。
  • より健康によいたばこ製品を広めることで数兆ドル事業であるたばこ事業を破壊(Disrupt)したい
  • 製品は21歳以上の人々に使ってもらいたい。ティーンエージャーには使ってほしくない

ということが書いてありました。ということで、紙巻きたばこから市場を奪おうとする単なる後発の新興たばこ企業と思ったのですが・・・。

JUULの売上は伸びている

下記はBMJ Journalというサイトにあるグラフなのですがこれは電子たばこの四半期ごとの売上を示したものです。右の方の一番上にある赤いバーがJUULの売上を示しています。2016年から凄まじい伸びを示しています。

2017年4Qに至っては、アルトリアとブリティッシュアメリカンタバコの電子たばこ売上を足したくらいを、JUUL一社で売り上げています。

なぜここまで急速に売上を伸ばしたかという研究がBMJ Journalというサイトにあります。結論をいうと「SNSを使用したマーケティングに成功し、若者の支持を得た」ということになります。

確かにアルトリアやブリティッシュアメリカンタバコといった「おっさん臭い」企業のツイッター、インスタグラム、フェイスブックのアカウントは若者にはウケが悪いと思います。一方で2015年に創業したスタイリッシュな「JUUL」という新興企業のSNSアカウントは、うまくやれば若者の受けが良いのかなと思います。かっこいい人・きれいな人がJオシャレな感じでJUULを使用しているページを若者が見て、JUULを使い始めるということです。

下記はJUULについて言及しているツイートの数ですが、2017年末にかけて爆発的に伸びています。JUULがSNSでうまくマーケティングを実行できていることが分かります。

 

若者の受けが良い、ということで当然ながらティーンエージャーもJUULを使ってしまうという問題があるようです。米国の政府機関である食品医薬品局(FDA)も、ティーンエージャーにJUULが売れていることを問題視しており、JUUL社に対し、マーケティングの方法についていろいろヒアリングしているそうです。今のところFDAも「なぜJUULがこれほど若者に売れているのか分からない」というコメントを出しています。当然JUUL社としてはティーンエージャーの消費は辞めさせようと努力しているとのことで、上記のCEOの手紙にも明確に記載してあります。ただ、個人的には「すこし反社会的なことをしたい」「みんなの仲間に入りたい」「かっこよくなりたい」といった思いが強いティーンエージャーに今後もJUULは売れ続けると思います。

大手たばこ企業はJUULに追撃される?

JUULの快進撃を見ると、フィリップモリス、アルトリア、ブリティッシュアメリカンタバコといったたばこ企業も未来永劫安泰というわけではなさそうです。

たばこ企業の利点の一つは、「消費者は自社製品を使い続けてくれる」という点です。マルボロを買う人はずっとマルボロを買い続けますし、ラッキーストライクならずーっとラッキーストライクを吸い続けます。

というわけで、たばこ事業はずっと安定してそうな気もするのですが、残念ながら人間の運命には逆らえません。つまり、たばこをずっと買ってくれる人達というのはいつしか亡くなってしまうということです。そして、若い世代が新たな消費者としてマーケットに表れるわけですが、彼らは上の世代とは違う志向・ライフスタイルがあるため、大手たばこ企業の商品を必ずしも選好するとは限りません。つまり、消費者がつねに入れ替わるので、どんなにスイッチングコストが高い製品を売っている企業であっても、若い世代に支持されなければ衰退してしまうことになります。人は常に入れ替わるということです。

JUULの売上は伸びているとはいえ、1四半期で150億円程度です。大手たばこ企業からするとまだまだ小さな売上です。ただし、今JUULはますます多くの若者に愛用されています。この若者がそのうち中年になっても、ずっと使い続ける可能性が高いので、引き続きJUULを使い続けることになるでしょう。大手たばこ企業から徐々に顧客を奪っていき、気が付いたら取り返しのつかないことになっているかもしれません。まさに電子たばこ+SNSマーケティングによる「破壊的イノベーション」といたところでしょうか。

少なくとも向こう10年は、大手たばこ企業は安泰でしょうし、たばこ銘柄は高配当株として君臨するものと思います。というわけでたばこ株の投資を続けようとは思いますが・・・常にリスクを意識する必要がある、ということをJUULの快進撃を見て思いました。







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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