日本企業について

日本の社畜的働き方は水稲作が由来?

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現在でも、多くの日本企業では法律で認められた労働者の権利である「有休」を取ることは憚られる雰囲気があります。有休を申請すれば上司から「理由」を聞かれたり、退職するから有給消化したいと申し出ても、何故か文句を言われることもあるようです。

さらに、育休になるとさらにハードルが上がります。女性の場合は育休を取れば「2級社員」と見なされ、重要な役職に就けなくなる「マミートラック」といわれるキャリアを歩まされることが、今でもあるようです。男性で育休や育児のための時短勤務などを実行しようものなら「非国民」扱いされます。

一方で、結果など出さなくても、窓際でボケっとしてても、フルタイムで勤務する限りにおいては1級社員と見做されるというのも日本企業の特徴です。

なんでこんな不合理がまかり通るのかずっと不思議でしたが、最近その理由の一つと思われる事柄を発見したので紹介したいと思います。ズバリ、日本の伝統的な農業の方法、「水稲作(すいとうさく)」です。

日本の場合は古来から土地を水田にかえてそこで稲作をしてコメを作って主食としてきました。その際の用水の方法は、傾斜地を利用した「重力灌漑」に依存していました。細々とした作業があらゆるところで必要となったので、家族ごとではなく、村が一体となって用水を管理しなければ稲作ができないという状況になりました。隣近所が運命共同体ということになります。個人個人が自分のペースで仕事をするなど許されません。常に村のみんなが一緒になって作業をする必要があります。そうなると個人個人が自立するという考え方は生まれず、「村の掟」に従うというのが自然な考えとなります。

一方で、ヨーロッパの農業は「有畜畑作」が主要な方法であり、用水の管理は雨水で賄うので、隣近所と協力する必要はなく、農家ごとに独立して運営できます。また、中国でも大河から水を取水するための労力は1家族で賄えるので、個人は家長(お父さん)にさえ絶対服従すればよい、ということになります。つまり、ヨーロッパや中国の農村では他の農家の目を気にする必要が少なかったため、日本のような、他人の目を気にする「ムラ社会」的な社会の在り方ではなかったということです。




今の伝統的な日本企業の社員は、会社内で3年くらいでいろいろな部署を転々としてゼネラリストばかりなので、各社員には社外に通用するスキルがつきません。よって、勤めている会社が倒産すれば、経済的に困難な事態になります。社員にとって、会社という共同体が「運命共同体」ということになります。

運命共同体を守るためにも、社員は必死で働かざるを得ません。ここから追放されたら生きていく道がない(と思いこむ)からです。共同体から追放されないように、「ムラの掟」に従わざるを得ません。社員にとって、「ムラの掟」は労基法などの社会のルールに優先するという意識が出てきます。

ということで、現代の日本企業は昔の水稲作の農民そのものですね。過去の日本の農村における働き方・意識も、今の日本企業の働き方の要因の一つになったのかなと思います。

個人的な体験と、人づてで聞いた話を総合すると、日本企業では「社外に通用するスペシャリスト」を育成したがらない、という特徴があるように思います。なぜか「会社のことは何でも知っているけど、社外に通用するスキルがない」という新卒入社のゼネラリストだけで会社を切り盛りしたいという無意識の欲求があるようです。これは、「ムラの掟に従う」社員を育成したいのだと思います。

「社外で通用するスキル」を持つ社員は、気に食わないことがあればすぐに会社を出ていってしまうからです。一方、ゼネラリストは社外に通用するスキルは無いので、家のローンのため、子供の教育費のためにも、会社で気に食わないことがあっても直ぐには会社を辞めません。このような社員には「ムラの掟」を強要しても問題ありません。

一般的な日本企業の社員は「ムラ社会」の一員という状況から逃れられなくなり、社蓄的な働き方をせざるを得なくなってしまいます。よって、当然の権利である有休も取り辛いですし、男の育休なんてもってのほか、村八分になってしまうという息苦しい事態になります。逆に、ムラ社会の掟に従いさえすれば、出社して会社に座っているだけの働かないオジサンでも、「1級社員」として認められます。もちろん、働かないオジサンは生産性は低いので経営側は苦々しく思ってはいます。しかし日本企業の場合は生産性よりも「会社という共同体の維持」が目的なので、役に立たなくとも「ムラの秩序」を乱さない人は、有能でムラの秩序を乱す人間よりも「好ましい」ということになります。

昔も今も、日本人が作り出す組織・共同体は、個々人が自分のペースで働くことを許さず、ムラの掟に無制限に従うことを構成員に要求するようです。我々個人が幸せになるには、イザとなったらムラから逃げ出すことが出来るようにすることが重要だと思います。

私の場合は配当金で生活できるようにすることで、会社に依存しなくてもOKという状況を作ろうしています。現在は高配当のたばこ株に集中投資しています。現時点で税引き後に月10万円の配当金を得られるので、(まだ若干足りないのですが)最悪会社を辞めても何とか生きていけます。ということで今は精神的にもずいぶん気楽になりました。これからも投資を続けて、さらに配当金を増やしていきたいと思います。

上記の農業の在り方と、日本のムラ社会化というのは「日本史の謎は地政学で解ける」という書籍に記載がありました。私は歴史や社会科学が好きなのでこういった本を読むことがあります。今回は日本人が社蓄とならざるを得ない理由の一つが「農業の在り方」で説明できるというのは興味深いな~と思い今回記載しました。

 







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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