投資の考え方

人口動態:米ドルの金利は2030年代まで高止まり?

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以前の記事で紹介したピーター・ゼイハンの「地政学で読む2030年の覇権」の内容の紹介です。この本には地政学という「地理条件が政治・経済に与える影響」という学問から導き出される将来予測だけでなく、「人口動態」から将来どうなるかを予測しています。世の中は不確実なことだらけなのですが、人口というのは読むのが簡単です。20年後の20歳の若者は、いま赤ちゃんとして生まれてなければならず、将来いきなりどこかから現れることはないからです。今を見れば将来の人口がどうなるかはピタリと当てられます。

今回は年齢別の人口と、資本コストの関係について紹介したいと思います。(個人的にはこの本はかなり面白かったのでオススメです)

年齢と資本形成

我々は皆、似たような人生を送ります。

  • 0歳~20代前半:親の庇護を受けつつ、教育により人的資源を向上させていきます。この年齢にある人は、働かず、消費するだけです。当然、納税しません。この世代は資本を創出しません。将来、資本を創出する世代となります。
  • 20代後半~40代前半:この世代の多くは結婚して家族を作ります。よってこの世代は、家、車、子供の教育と大量の消費をすることになります。働いて納税もしますが、消費額も多額にのぼるため、この世代もあまり資本を創出しません。
  • 40代前半~60代前半:この世代は、子供たちも独立して消費も少なくなります。更に会社では給与がMAXになります。よって、この世代は銀行預金や株式などの資産が積みあがっていきます。この世代の人口が厚い国は、資本がどんどん積みあがることになります。そして資本に溢れるので、資本コストが下がる、つまり金利が下がります。
  • 60代後半~:この世代は、現役のころ積み上げた資産を取り崩して生活します。さらに年金受給者や医療サービスの受益者となるため、現役世代に支えてもらう必要があります。

第二次世界大戦後、欧米や日本ではベビーブームが起こりました。ベビーブーム世代が50代~60代を迎えた時期、つまり1990年代~2000年代は、稼ぎ頭の人口が最も多いのでどんどん資本が積みあがっていきました。

特にアメリカで資本が積みあがった結果、余ったドルが世界中に投資されていきました。ドルが余る、ということでドルの金利も低下していきました。

新興国側から見ると、「金利の安いドル」が簡単にアクセスできたので、これを活用してインフラ整備を行うことなどで国を発展させることができました。

アメリカの人口動態の推移

2005年のアメリカの人口ピラミッドです。

資本を積み上げる世代が多数を占めます。このため、ドルがアメリカ国内のみならず世界中にあふれ出ることになりました。ところが・・・ベビーブーム世代の下の世代(25~39歳、"Generation X")の人口が少ないのが見て取れます。

 

2020年のアメリカの人口ピラミッドです。

人口の厚いベビーブーム世代は60代を超えつつあります。この世代は年金を受け取ったり、貯金を取り崩し始めます。一方、もっとも資本総出力のある40代後半前後のGeneration Xの人口は少ないので、資本がこれまでと同様には積みあがりません。よって、従来マーケットにあふれていたドルは、どんどん減り、金利も上がっていかざるを得ません

2018年現在、徐々に米国債などの金利が上がっています。理由は多々あるのですが、米ドルの金利上昇は人口動態というのも大きな原因の一つと言えるでしょう。(この本の著者の主張が正しければ・・ですが。私は妥当かと思いますが)

最後に2035年のアメリカの人口ピラミッドです。

このころになると、ベビーブーム世代に次いで人口の多い「ミレニアル世代」が、資本創出力が高い40代後半に差し掛かりつつあるので、再びドルがアメリカに積みあがってくると予想されます。このころに、米国の金利がまた下がると予想されます。

というわけで、結論としては、今後の2030年以降にかけて米ドルの金利が上がり、我々ミレニアム世代が40代後半に差し掛かってから金利がまた落ち着きだすというのが、この本の将来予測です。未来のことは分かりませんが、それなりに説得力のある説明かと個人的には思います。

今後米ドルの金利が上がると、どこに投資したらいいのか

世界中の資金が最強通貨かつ金利高の米ドルに集まるので、ドル高になるでしょうね。資産防衛という意味では、アメリカの株や債券に投資するのがいいのかな~ということになります。

逆に言うと、これまで安い米ドルを活用してインフラ投資などで経済成長してきた新興国は、(米国に資金が流れてしまうので)海外からの投資額の減少するでしょう。さらにドル高・金利高によりドル建て債務を返済するのにアップアップとなります。つまり、経済成長率が鈍化する可能性がありあす。新興国は、外国からの資本投資がないと発展できないゆえに「新興国」なのです。

一方、日本はじめ先進国は2035年になると人口減少局面なので、明確に衰退していくのかなと思います。先進国で、2035年になっても人口が伸びるのはアメリカ・イギリス・オーストラリア・ニュージーランド・フランスなどです。ほかはだいたい人口が減っていきます。人口減少国に投資して儲けるのはますます困難になるのではないかと思います。

法制度が整っており、最も株主重視でありかつ、人口も増える最強国家のアメリカが投資先としては安心できるのかなと思います。

じゃあ、なんでたばこ株に投資しているのか?

ところで、私はたばこ株に投資しているわけですが、なぜかというと下記の人口予想を見ているからです。(情報源は国連データ等)

人口の伸びがアジアとアフリカで顕著です。更に長い目で見たら、アフリカは2090年には40億人と、今の3倍くらいに人口が増えるという予想です。アフリカは行ったことが無いのですが、そもそも娯楽があるような土地でもないですし、たばこ片手に道端や飲み屋でお喋りというのが最大の娯楽ではないでしょうか。アジアの新興国も人口がどんどん増えていっています。これらの新興国では、長期的にはたばこの消費量も増えていくのかなと考えています。

たばこ企業は事業運営に多額の資本を必要としないので、米ドルの金利が上がってもダメージを受けません。米国に資金が還流することで、新興国の経済成長は鈍化するかもしれませんが、購買力は確実に上がっていきいます。さらに人口も増えるので、たばこ消費者は増えるものと思います。

極めて雑なロジックですね(笑) でも長期的見通しなんてこれくらいの雑さでいいのかなと思っています。将来の事象の細かい因果関係なんて誰にも分かりません。とりあえず高配当の株なら損はしないかな、ということで、引き続きたばこ株への投資を続けていきたいと考えています。







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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