地政学

ロシア株はずっと割安放置?:地政学的考察

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ロシア株といえばガスプロムをはじめ石油関連の会社があります。我々日本の投資家もネット証券を通じて簡単に購入することが出来ます。ロシアは2014年にウクライナおよびクリミアを侵攻して以来、欧米から経済制裁を受けており、経済がなかなか成長しません。ロシア株への投資は、ロシアの政治状況を常に意識する必要があります。

今回はロシアが置かれている地政学的な状況の考察と、今後のロシア動きを予想してみたいと思います。結論としては「ロシアへの投資は辞めたほうがいい」というものです。

ロシアの経済状況

ロシアの経済はあまり伸びていません。ルーブル建てではGDPは伸びていますが、米ドル建てだと下記のような感じです。

2014年、ロシアによるクリミア・ウクライナ侵攻により、欧米から経済制裁を受けています。このことからルーブルが安くなってしまい、米ドル建てのロシアGDPが下がっています。

米ドルとルーブルの為替は下記のような推移です。

ロシアによるウクライナ侵攻が行われた2014年からストンと落ちて、対米ドルのルーブルの価値は半分くらいになっています。

ちなみに我々は日本の投資家なので、ルーブルの対円チャートも気になるところです。下記のようになっています。

対ドルと同じく、対円でもルーブルは2014年以降に暴落したあと低位で推移しています。

ロシアの地政学的状況

ロシアの人口の重心はヨーロッパ側です。ロシアから見た、ヨーロッパ側の国境についてみてみます。

ロシアは多くの国と国境を接しています。ヨーロッパ側では、エストニア・ラトビア・べラルーシ・ウクライナと国境を接しています。この国境線の特徴は「平原にある」です。軍隊の移動を妨げるような大河や山脈や森林といったものがないんですね。

それにもかかわらず、バルト三国のみならずウクライナまで西側の陣営に入ってしまったら、ロシアから見ると「政治的敵対国と長大な国境線で接している。しかも国境は守りにくい平原」となってしまいます。

ロシアといえば強力な軍隊が居るので、大丈夫かな~と思うかもしれませんが、そうもいきません。

ロシアの人口構造を見ると分かります。ロシアは若年人口が非常に少なくなっています。これが何を意味するのかというと、ロシアは陸軍の定員割れが発生してしまうということです。

国境線の防衛には、ある程度の人数が必要です。特に、大河や山脈が無いだだっ広い平原を守るためには相当の人数が必要です。それにもかかわらず、若年人口があまりにも少なすぎて、ロシアは長大な防衛線を守るだけの陸軍の兵隊が足らないというい事態に陥ってしまいます。

陸軍定員割れが見えている中、長大な平原の防衛線を守るのは無理です。バルト三国はロシアに敵対的ですし、ウクライナも欧米になびいている(ベラルーシは親ロシア)となると、ロシアの不安が高まります。

解決策は、「防衛しやすいところまで前進する」というものです。

具体的には「クリミア」「ルーマニア」「ポーランド」まで前進すれば、ロシアは少ない兵隊で国境線を守ることができます。

まず、防衛線1としてクリミア半島があります。ここを抑えたらトルコからの防衛をしやすくなります。逆に言うと、クリミア半島を敵に取られてしまうと、ここを拠点に攻められてしまいます。よって、ロシアからするとクリミア半島は絶対に死守しなければなりません。19世紀の露土戦争でも、事実、トルコ(当時はオスマントルコ帝国)は一番にクリミア半島を侵攻目標にしています。

次に防衛線2と3ですが、これはカルパティア山脈と黒海、そしてカルパティア山脈とバルト海に挟まれた地域になります。カルパティア山脈は天然の防衛線となるので、海との間の狭い平原地帯さえ守ればロシアとしては効率的に防衛できます。つまり、ポーランドとルーマニアまで進出すれば、少ない兵員でも防衛することができます。

現時点ではロシアは防衛線1であるクリミア半島の侵攻に成功し、今やロシア領となっています。さらにロシア系住民が多いウクライナ東側も事実上ロシア領のような状態です。ウクライナは豊かな穀倉地帯ではあるものの、石油が出ず経済的には強くありません。ソ連崩壊後は軍隊に回すお金がなく、ウクライナ軍というのは非常に弱体化しています。よって、ロシアからするとウクライナを攻めるのは簡単でした。

これで対トルコ防衛は安心です。さらにロシアからすると、トルコの脅威をそぐためには、トルコ南部のシリアを戦乱状態にさせればトルコ軍はシリア側にくぎ付けとのなります。そういう意味では、シリアやイラクが乱れると、ロシアにとっては自国の防衛上有利ということになります。

防衛線1であるクリミア半島を占領した時点で、欧米から経済制裁を食らっている、というのが現状です。

ロシアからすると次に狙うべきはルーマニア、そしてポーランドまでの領土です。今の少ない若年層が軍人になるあと10~15年くらいまでに、防衛線を確保しなければ、ロシアは安心できません。

よく考えると、これは単にソ連時代の国境線を取り戻すということです。ソ連が崩壊していくつかの独立国に分かれましたが、それをロシアが再び統合するような形で領土を取れば、防衛線上も有利になります。

とはいえ今後本当にルーマニア・ポーランドに侵攻すると、さすがに欧米か軍事的な反撃があるかもしれません。ただ、アメリカのトランプ政権が、自国外の事柄には無関心でしょう。アメリカ国内で石油・ガスはじめなんでも揃うので、ヨーロッパがどうなろうとアメリカにとっては関係ありません。昔は共産主義からの脅威を防ぐという大義名分があったのですが、共産主義は今や過去のことです。

以上のように考えてロシアがこれからもどんどん攻めまくるかもしれません。ただアメリカがポーランドやルーマニアを助けなくても、ヨーロッパ各国が対ロシアで防衛するでしょうね。そうこうしているうちに、ロシアは人口減により軍隊の定員割れで弱体化、膠着状態・・・となるかと思います。

ロシア株への投資はやめたほうがいいかも

以上のようにロシアは人口減による防衛力の弱体化、それに伴う防衛のしやすい地域を確保したいという地政学的要請から、これからも暴れるインセンティブがあります。ただ、暴れるほど欧米からの経済制裁が強烈になっていきます。

ヨーロッパはロシアから大量の石油・ガスを輸入していますが、今後は再生可能エネルギーの導入を進めていきます。脱炭素化というのも一つの名目でしょうが、やはりエネルギーのロシア依存を避けるというのも、再生可能エネルギー導入の目的の一つでしょう。ロシアからしたら、ヨーロッパの需要が消えたら、輸出するものがなくなってしまいます。さらに経済的に困難な状況になるでしょう。

という視点からみると、ガスプロムやルクオイルといったロシア株への投資はやめたほうがいいかもしれません。グーグル先生によると、ガスプロムは配当利率が5.36%、PERなんて4.4倍という非常な安値になっていますが、、地政学的にはロシアという国そのものに投資するのは辞めたほうがいい、というのが私の結論となります。

 

以上は私の単なる意見です。本当は今がガスプロムやルクオイルへの投資の大チャンスなのかもしれません。これからロシアという国はどうなるんでしょうかね。人口ピラミッドを見る限り、未来は暗そうですが・・・。

私は地政学が好きなのでこういう妄想をするのは楽しいです。地政学という観点で投資もできる「エネルギー株」もポチポチ買っていこうかな~と考えています。







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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