日本企業について

日本企業が副業を認めない理由:逃げられたら困るから

投稿日:2018年9月22日 更新日:

厚生労働省所管の組織が調査したところによると、日本企業の4分の3以上の企業で副業を認める予定がないそうです。政府は副業や兼業を推進していますが・・・。

認めない理由としては「過重労働で本業に支障をきたす」というのが副業を認めないトップということです。でも、サラリーマンは法律上、労働時間以外は何をやっても自由なはずです。なぜ頑なに副業を認めないのか考えてみました。

日本企業の仕組み

このブログでは何度も記載していますが、伝統的な日本企業の特徴は「終身雇用」「年功序列」というシステムを取っています。特段成果を挙げなくてもとにかく年齢が上がれば勝手に昇給するというシステムです。

この仕組みが導入されたそもそもの経緯としては、太平洋戦争遂行のために軍需生産を最大化するため、政府が主導して今の仕組みを導入しました。意図してか結果としてかは分かりませんが、いまのように一般的に労働者があちこち転職せず、一つの会社に勤め続けるような仕組みにすることで、企業間の人材獲得競争にかかるコストを下げるという効果もありました。

とにかく、「サラリーマンは一つの会社に勤め続ける」、これが良しとされているのが日本企業の特徴です。

詳しくはこちらの記事に書いています。

日本は今でも戦時体制:国民は疲弊する

現状の日本企業のサラリーマンの在り方

年功序列・終身雇用で、あらゆる社員をゼネラリストとして育成する日本の大企業の場合、中で働くサラリーマンは、社外で通用する「専門性」というのを持ちません。やっている仕事は、「とりまとめ」「社内資料のパワーポイント作成」「下請けへの丸投げ」です。しかし会社自体が、過去からの仕組み・経緯のおかげで体力がそこそこあるので、中で働いているサラリーマンの給料は良いというのが良くあるパターです。このようなどう考えてもクソみたいな面白くない仕事にもかかわらず・・・。

つまり、多くのサラリーマンは、ひたすら「"てにをは"の修正」「パワーポイント作成」という作業を延々と繰り返すことに、辟易としています。できればもっと面白い仕事が出来る会社に転職したいと本心では思っていますが、多くの人はゼネラリストとして働いてきたので外で通用する力はありません。それに加え、日本社会の転職市場はまだ流動的ではないという問題もあります。家族の反対などもあり、往々にして嫌々ながらも会社にしがみつくしかありません。

もちろん会社側もそんなことは百も承知で、社員が逃げ出さないように、社外に通用しないゼネラリストとして育成して飼い殺ししようとします。

副業を禁止するのは、飼い殺しできなくなるから

日本企業では、表向きは「本業に集中してもらうため」という理由で副業を禁止していますが、本音は副業されると社員を飼い殺しできなくなるのを恐れているからです。会社が社員に圧力をかける際の交渉力は「安定した給料」です。安定した給料が会社からしか出ないのであれば、社員側の交渉力は著しく下がり、結局会社の言う通りにするしかありません。

ところが副業して、仮にそれが上手く行く場合は・・・、会社に所属する唯一の理由である「給料」はもはやどうでもよくなるので、社員の交渉力が上がります。会社から「君は仕事できるからもっと作業してくれ」と言われたら、「嫌です」と反論できます。「それなら地方に飛ばすぞ」といわれるかもしれませんが、副業で生活費を賄うことが出来るのなら、「じゃあ、辞めます。」と逃げ出すことが出来ます。会社から見たら使い勝手の悪い社員なのですが、我々サラリーマンからすると会社の言いなりにならずに済む、という意味で、より自分の生きたい人生を歩むことが出来ます。

つまり、日本企業が副業を認めないのは、「飼い殺しできなくなるから」です。副業により、自社の社員が給料への依存度が下がってしまえば、例えば「一方的な配置転換に反抗される、配置転換を命じたものの退職される」といったことが頻発します。

命令する偉い人も、結局は社外には通用しないゼネラリストであり、会社がらは逃げられないサラリーマンです。若い部下が会社以外で生きる術を身に着けて逃げていったら、オジサンとしては困るわけです。

副業OKというのは、「給料」で無理やり繋ぎ止めていた、会社という運命共同体・ムラ社会をぶっ壊してしまう危険性をはらんだものなのです。

というわけで、今後も伝統的な日本企業においては、副業を許可することはないでしょう。

 







  • この記事を書いた人
スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

-日本企業について

Copyright© 株式投資で経済的自由 , 2018 All Rights Reserved.