石油株分析

アメリカのシェール企業:ホワイティング・ペトロリアム(WLL)

投稿日:2018年9月30日 更新日:

以前の記事に記載した通り、アメリカ拠点かつ石油生産が主な会社への投資を考えています。理由は下記の3点に集約されます。

  • イラン制裁などで石油価格が今後上昇する。(と想定)
  • アメリカのシェールオイル・シェールガスの生産性が非常に上がっており、生産コストが下がっている。
  • そもそも、石油生産会社は石油だけでなくガスも生産している。アメリカでは大量にガスが生産されるのでガス価格が上がらない。

ということで、石油価格上昇とコスト減の恩恵を受けられる「アメリカ企業で、かつガスよりも石油生産が多い会社」への投資を考えています。一発目としてアメリカのシェール企業であるホワイティングペトロリアム(WLL)を分析してみました。ホワイティングペトロリアムにはSBI証券などから投資できます。

ホワイティング・ペトロリアム(WLL)の分析まとめ

  1. アメリカのコロラド州・ノースダコタ州・モンタナ州でシェールオイル・シェールガスを生産する企業。特にノースダコタ州にあるバッケンエリアでは生産量NO1である。
  2. 生産量に占める石油のシェアは約90%。残りが天然ガスである。石油価格上昇の恩恵を受けやすい。
  3. 今後環境規制が強化された場合シェール掘削のコストが上がる懸念がある。また、石油とガスの埋蔵量が順調に積みあがらないと将来生産する石油・ガスがなくなる。

ホワイティング・ペトロリアムのビジネス

アメリカを拠点とする石油・ガスの生産企業です。シェールオイルやシェールガスを生産しています。生産された石油やガスはパイプラインやトラックで輸送されます。生産地は下記の地図の通りです。

ホワイティングの本社はコロラドにあります。地元のコロラド州でもシェールオイル・シェールガスを生産していますが、主力の生産地は北にあるノースダコタ州です。ノースダコタ州にはバッケンというシェールオイル・シェールガスの生産地があります。ホワイティングはバッケンエリアでNO1の生産量を誇る会社です。

過去石油価格が高かった時は、アメリカの様々な場所でシェールオイル・シェールガスの生産をしていました。下記の地図のように、2014年時点ではアメリカ中西部の様々な州で操業を行っていたことがわかります。

ところが2014年に石油価格が下がってしまい、ホワイティングとしては資金繰りに困ってしまいました。そこで多くの資産を売却して、今のノースダコタ州とコロラド州に選択と集中を行った、という経緯があります。

ホワイティングペトロリアムの財務数値

アニュアルレポートから各種数値を拾いました。

売上・利益

石油価格が上昇していた2014年までは順調に売上を伸ばしていました。ところが2014年下期以降、石油価格が暴落してからは、売上が減り、大幅な赤地を出しています。資産価値減や、資産売却損などで赤字を計上しています。ところが2018年上半期ではついに黒字を出すようになりました。

キャッシュフロー

石油会社ということで営業キャッシュフローが安定して黒字です。2014年に石油価格暴落以降は営業キャッシュフローの数値が大幅に下落していますが。その分、投資を絞ってなんとか現金をねん出しているのが分かります。2018年上半期ですが、半年だけで2016年・2017年の1年分の営業キャッシュフローを稼げています。キャッシュ面でも回復していることが分かります。

バランスシート

2014年にかけてバランスシートが膨らんでいますが、2015年以降は資産額が減っています。石油資産をどんどん売り払って生き残りを図ったためです。総資産のうち有利子負債が占める割合は50%程度と、財務的には安定していると思います。

一株あたり利益・配当金と配当性向

この会社は、2003年の創業以来、配当金を出していません。今後も配当金を出す予定はないとアニュアルレポートに書いてあります。キャピタルゲインで投資家に報いるということでしょう。

埋蔵量・生産量推移

埋蔵量はここ10年で順調に積みあがっています。資産売却により2014年以降は最大値から減っていますが、生産量をカバーするだけの埋蔵量を積み上げています。埋蔵量618百万バレルに対し、生産量が43.1百万バレルなので、何もしなくても14年くらいは生産を継続できます。

生産量のうち、88%が石油で、残りが天然ガスです。アメリカでは今後天然ガス価格は上がりにくいという予想があります。一方、石油価格は全世界共通の価格がある程度形成されています。今後イラン制裁などで石油価格が上がれば、ホワイティング・ペトロリアムにとって売上単価増となるでしょう。

生産コスト

上記は操業費、減価償却など全部含めたバレルあたりの生産コスト推移です。だいたいバレル当たりのコストは30~40ドル近辺です。ここは下げトレンドであり、2018年上半期は31.69ドルとかなり安くなっています。2015-2017年は、販売単価がコストを下回ってしまい、赤字を計上しました。しかし、2018年上半期は石油価格上昇による販売単価増と、生産コスト減で利益が出始めているようです。

ホワイティング・ペトロリアムの将来の見込み

石油会社ということで、大事なのはオペレーションです。効率的に石油・ガスを見つけ、効率的に生産できれば、売り先に困ることはありません。マーケティングはあまり関係ありません。ホワイティングペトロリアムの将来は、石油価格の動向に左右されます。今後はイラン制裁・OPEC&ロシアによる協調減産維持などで石油価格上昇が見込まれます。石油価格が上昇すれば、ホワイティングペトロリアムの利益が増えます。

さらにコスト減も期待したいところです。アメリカにおける効率化への情熱というのは日本以上といわれており、あらゆる手を使って掘削現場における効率化が図られています。アメリカのシェール企業は全般的にコストがどんどん下がっているといわれています。今後もコスト減のトレンドは続くといった記事も見ましたが、どうなるかは神のみぞ知る・・といったところかと思います。

とにかく、同社は石油価格低迷という地獄の時期を乗り切り、これから利益を積み上げるステージに入りつつあるのかな、という感じがします。

最後に

一切配当を出さない会社なので、配当金という楽しみは得られません。しかし石油価格上昇で恩恵が得られる会社ですので楽しみではあります。財務状況も健全だし、直近の2018年上半期では黒字が出ています。実際2018年に入って株価が2倍に上がっています。

上記はグーグルの数値をそのまま掲載したものです。2014年の石油価格下落前までは、株価が300ドルを超えていました。今は53ドルですので、2~3倍くらいになるポテンシャルはあるかも!?と妄想します。アメリカの底力を表すシェール企業に投資してみるのもいいかな、と思っています。給料も入ってそこそこ現金が溜まったので明日あたり買い付けしようと思います。

これからも、日本の個人投資家が全く分析していないであろうマイナーな会社をコツコツ記事にしてみたいと思います。







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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