資本財銘柄分析

フェラーリ銘柄分析(RACE):いわずと知れた高級車

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今回はアメリカにADRとして上場しているフェラーリ株の分析です。最近気づいたのですが、日本のネット証券でフェラーリ株を投資できるんですね。車自体は全く興味ありませんが、株には興味があるので分析してみました。

フェラーリ(RACE)の分析まとめ

  1. 言わずと知れた高級車製造・販売会社。高収益の源泉は超高級車というブランド、すなわわち「無形資産」。
  2. 年を経るごとに収益性が上がっている。ブランド品なので、販売価格を上げても売上が落ちないという美味しいビジネス。
  3. 株価水準は高い。株価が下がってきたら購入を検討したい。10年保有するのなら今の水準でも買ってもいいかもしれない。
  4. ただ、近年の成功は前CEOの手腕によるところが大きいように思われる。新CEOの手腕が不安ではある。

フェラーリのビジネス

言わずと知れた高級車を製造・販売する会社です。本社はイタリア。ミラノ証券取引所に上場していますが、NY証券取引所にADRとしても上場しています。もともとフィアットクライスラーオートモービルズの傘下でしたが、2015年に分離してIPOしました。RACEっていうティッカーシンボルは何というか、、少しヤンチャな気がしますが。

高級車としてのブランド構築に成功しており、フェラーリは「成功者のアイテム」という特徴のもつ稀有な商品です。もはやコスト勝負ではなく最高級ブランドという「無形資産」が武器の会社です。

こんな車を販売しています。(レンタカーで一生に1回は乗ってみてもいいですね)

2011年からの合計販売数と2013年からの地域別販売台数です。

合計販売台数は伸びています。仮に2018年は上半期の2倍の台数が売れたと仮定すると、毎年の3%の販売台数増となります。そもそも世界では年間9000台も売っていなかったんですね・・・。レアな車ということが良くわかります。

売上台数のうち、ヨーロッパ・中東・アフリカと南北アメリカで78%を占めます。アジア+オセアニアはわずか22%です。世界人口とGDPの半分はアジアなのに、これは意外でした。この数値を見ると、フェラーリには成長余地がまだまだ残っているように思います。特に新興国のお金持ちってこういう高級品を買って見せびらかすの好きそうですし・・・・(笑)

調べてみると香港・台湾の売上台数は伸びてますが、中国本土の売上台数が伸びていません。排出ガス規制が影響している、とアニュアルレポートには書いてあるのですが・・・。習近平政権による「汚職摘発」と関連があるかもしれませんね。フェラーリを買って下手に当局に目を付けられるくらいなら、買わない・・・といった影響があるかもしれません。。

そもそも、フェラーリは希少性を出すためにも生産台数を7000台程度にに抑えていたのですが、前のCEOが生産台数増の方針にして、今に至るまで生産台数を伸ばしています。私は前CEOの手腕は相当のものだったと思います。財務数値も飛躍的に良くなっています。残念ながら、前CEOは病気により今年7月に退任、退任後わずか1週間で亡くなりました・・。

今はCEOとしてフィリップモリス前会長であったカミレリ氏が就いています。しかし、この人は8月1日の投資家ミーティングで「前CEOが設定した2022年までに利益倍増という計画が実現したらいいなと思います」と願望めいた発言をしたものだから、投資家が「やる気あるのか」という反応を見せたのか、1日で10%も株が暴落してしまいました。。

フェラーリといえばF1のマルボロの広告が思い浮かびますが、今のフェラーリCEOがフィリップモリス前会長だった、、というのも、両社のつながりの深さが何となくわかります。

フェラーリの財務数値

アニュアルレポートから各種数値を拾いました。

売上・利益および資産の推移

売上利益ともに順調に伸ばしています。特筆すべきは、投下資本利益率が年を追うごとに上昇しています。15%を超えたら相当収益率が高いといえますが、2017年には20%を超えています。半年だけの数値ですが2018年上半期も純利益率がさらに上昇しています。売上の伸びはありませんが。

2015年のフィアット・クライスラーからの分離の際、親会社がかぶってた本来はフェラーリ負担の費用を、"Debt"と計上したため、2015年は数値上は有利子負債が増えて純資産がマイナスとなっています。個人的にはあまり気にしなくてもいいと思います。とにかく、収益性は年を経るごとに上昇しているのがわかります。

ちなみに売上高を分解すると下記の通りです。さらに車体・パーツの売上を、販売台数で割ってみました。

売上の70%が車体の販売で、あとマセラティへのエンジン販売、「跳ね馬」で有名なロゴ使用料などが売上です。車体・パーツの売上を、販売台数で割ると「1台あたりの価格」が出ますが、年々上がっており2017年では1台あたり29万ユーロで販売しているのがわかります(パーツも含まれているので正確ではないのですが、だいたいこんなもんかと思います)

販売額を上げても販売台数が減らない、という稀有なビジネスです。この会社は自動車会社ではなく、ティファニーといった高級ブランド会社と見做したほうが適切ですね。

キャッシュフロー

これは文句なくキャッシュが積みあがっているのがわかります。

一株あたり利益・配当金と配当性向

一株当たり利益は順調すぎるほど伸びています。2016年から配当を出しています。配当性向は一株利益の20%くらいですね。2017年は自社株買いも行っています。

フェラーリの将来の見込み

上記に記載しましたが、前CEOは2022年までに利益2倍、という目標を立てていましたが、今のCEOで大丈夫か、不安です。とはいえ、今後経済が伸びるアジア地域でまだまだ売上増の余地があることから、今後も収益を拡大できるのではないか・・・と考えます。

さらにEV化・自動運転化がすすむと、今後どうなるか分かりません。フェラーリも高級EVの開発には乗りだすみたいですが、販売時期についてはまだ決まってないようです。もともとEVをやる気はなかったようですが・・・。とはいえ今後20年くらいは高級車を欲しがる富裕層向けに、いままでと同様の商売を継続できるとは思います。

最後に

2018年上半期の一株利益が1.63ユーロでした。ミラノでの株価は100ドル近辺ですので、PERは31倍です。この8年間の純利益成長率が15%でした。今後も純利益が15%のまま成長すると仮定すると・・・PEGレシオは31÷15≒2と、およそ2倍という状況で、若干割高です。(PEGレシオは2倍以上は割高といわれています)

NYSEでの株価は117ドル前後です。うーん、100ドルを切ったら思い切って購入してもいいかな~という感じでしょうか。

上記はグーグルの数値をそのまま掲載したものです。上場後、2016年4月くらいは40ドルを下回った程度だったのが、いまや3倍くらいになっています。いやー、もっと早く気づいたら良かった!でも2016年はまだオーストラリアいたし、どうせ買えませんでしたね。

今の水準は割高圏にギリギリ入ってはいますが・・・今後のアジア太平洋地域での売上増と、価格支配力に期待して、この株価で買ってしまってもいいかもしれません。10年たてばそれなりに報われるものと思います。

いずれにせよ、この銘柄は気になるので今後も株価水準を注視しようと思います。







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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力で総資産は1億円弱、年間受取配当金は税後で300万円。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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