たばこ・大麻株分析

急成長の大麻ビジネスの概要と関連銘柄

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アルトリアグループがクロノスグループの45%の株式を購入し、本格的に大麻ビジネスに参入しました。大手たばこ企業がデューデリジェンスを経て、満を持して大麻ビジネスに参入したということは、今後大麻ビジネスは成長する可能性は非常に高いということなのでしょう。私はアルトリアを持っているので、晴れて(?)私も大麻産業に投資していることになります。

実際、ゴールドラッシュならぬ大麻草の色の緑を模して、グリーンラッシュという言葉もあるようです。

たばこ、砂糖、お酒など、依存性のある製品を扱う企業の株式は、これまで歴史的に高いリターンを株主にもたらしました。今後の依存性ビジネスの最右翼は「大麻」と考えています。ただ、大麻産業っていったいどうなってるのか、どの銘柄に投資すればいいのか・・・正直良くわからなかったので、いろいろ調べてみました。

投資先ですが、今現在の結論としては「アルトリアグループ」もしくは「コンステレーションブランズ」に投資すればいいのかなと思います。

「なーんだ、当たり前じゃないか」という結論かもしれませんが、大麻産業でどのプレイヤーが大儲けするのか、あまりにも不確実で、個別株でどこがいいのか現段階で全く分かりません。「既存ビジネスに大麻を取り込む」というアルトリアとコンステレーションブランズへの投資が大麻ビジネスの投資先として相応しいのかなあと思います。

大麻はなぜ近年注目されているのか

そもそも世界では大麻は古代から使われていました。宗教上の儀式でも、大麻を使っているものがあります。

大麻草には、人間に酩酊作用を起こさせる物質が含まれており、そういった物質は依存性があります。大麻からつくられる製品によっては、依存性が高く危険なものがあります。このことから、大麻を禁止する国際条約が1961年に発効し、各国で使用が禁止されました。

それから数十年、大麻についてはWHO(国際保健機関)お墨付きの「危険な製品」ということで、主に闇市場で取り扱われる商品となりました。成分についても、詳しく調査されることはありませんでした。

しかし、近年になり、大麻草には確かに酩酊作用を起こさせる物質も含まれているものの、一方で癲癇をやわらげたり、不眠症や痛みを緩和したり、癌を縮小させる物質も含まれているということが判明しました。大麻は使い方によっては非常に有益であることが、徐々に分かってきたのです。

大麻草は何千もの種類があり、各国の医療機関で、いかに大麻草に含まれる物質で、難病患者を治療できるかという研究が行われるようになりました。そして医療用での大麻の使用が徐々に世界で認められてきました。

大麻といえば、いわゆるヒッピーのような人たちが使用しているというイメージがありますが・・・今日では、医療用途として使用される量の方が多いようです。

さらに、大麻といえば「危険薬物」として認知されていますが、アメリカの国立薬物乱用研究所では、もっとも中毒性が高いのはヘロインとアルコール、次がコカインとニコチン、そしてマリファナ(大麻)はコーヒーレベルの中毒性であることが判明したと発表しています。ということで、各国政府機関も徐々に大麻の規制に関して考え方を変えつつあります。

医療用だけでなく、いわゆる娯楽用の大麻使用も解禁されつつあります。世界初の娯楽用大麻の合法化はウルグアイで、そして今年10月にカナダで合法化されました。

娯楽用の大麻を合法化した理由として、大麻販売による税収向上といわゆる闇社会へのカネの流入を防ぐという狙いもあります。不眠症を抑えるため等で大麻を利用している人に、(少々高くても)合法的に大麻を入手する方策を与えるという意味もあります。ソースは不明ながら、ネットや書籍によると、カナダでは人口3600万人のうち100万人が医療用・娯楽用で大麻を使用しているとのことです。(ただし、信頼性のあるデータはありませんが)

大麻市場拡大の本丸はアメリカの大麻合法化です。現状、アメリカでは州によって医療用大麻が合法化されていたり、娯楽大麻が合法化されていたり、まちまちです。以下はウィキペディアのアメリカ州別の大麻合法化状況ですが、濃い緑が医療&娯楽用で合法、薄い緑が医療用のみ合法とで、その他は基本的にどちらも非合法という状況です。民主党が強い地域、すなわちリベラルな州で大麻の合法化が進んでいます。

州別では大麻は合法化されているものの、連邦レベルでは大麻は非合法ということで、現状ではアメリカでの大麻ビジネス拡大は難しい状況です。州レベルでは合法でも、連邦レベルで違法なら、何かと問題が起こる可能性があるからです。

ドミノ倒し的に大麻使用が州レベルで合法化されているので、連邦レベルでも合法化されるだろうという観測はあります。トランプ政権では、今すぐの大麻解禁は考えていないようですが、合法化に非常に後ろ向きということでもなさそうです。ただし、ネットその他の情報のよると、連邦レベルの大麻解禁は少なくとも2~3年は掛かるものとされています。司法長官も代わったばかりですし、すこし時間はかかるでしょう。

北米だけでなく、ヨーロッパでも大麻市場が大きく、国際機関でも大麻の効用について認め始めていることから、徐々に大麻を合法化する国が増えるとみられています。ただ、製薬会社は、大麻解禁を快く思っていないようです。自分たちの市場が浸食されるからです。製薬会社の圧力で、大麻合法化が遅れるかもしれない・・・という声もあるにはあります。

いずれにせよ、大麻市場は今後急速に伸びるとされ、北米では年率28%という爆発できな成長率とされています。この市場への参入を目指し、IT業界などから起業家が押し寄せているそうです。今後もグリーンラッシュがどうなるのか、投資家として非常に興味があります。

主な大麻関連銘柄

多くの大麻関連銘柄はありますが、一部をピックアップしてみました。基本的にどの銘柄も「売上増・利益はまだ」なので財務数値については記載してません。また、日本から投資できるかどうかも関係なく記載しています。分析的というより、簡単に概要を描写しています。

Tilray (TLRY)

2018年7月にナスダックにIPOしたカナダの大麻企業です。ヨーロッパに医療用大麻を輸出した初のカナダ企業で、ポルトガルに大麻農場を保有しています。ヨーロッパ市場にはこのポルトガルの大麻農場から供給される予定で、ヨーロッパで大麻が合法化されたら同社の事業は急拡大することが期待されています。Tilrayはカナダ最大の人口があるオンタリオ州で娯楽用大麻の小売にも参入しています。

イギリスのアルコール飲料大手ディアジオが、Tilrayの株式購入もしくは買収するかもしれない、という情報もあります(当然ながら真偽のほどは不明です)

Canopy Growth Corporation (CGC)

NYSEに上場したカナダの現時点で世界最大の大麻企業です。同社には、アメリカのアルコール飲料大手のコンステレーション・ブランズが40億ドルを投資すると発表したこともあり、株価が急伸しました。コンステレーション・ブランズは大麻入りのビール販売も検討しており、「依存症ビジネス」としてのシナジーを生もうとしています。

同社はドイツの売上が全体の10%を占めるなど、大麻のグローバル企業です。コロンビア・チリ・ブラジルなどへの進出も図っています。この会社のCEOは、タバコは大麻の競合と考えていないようです。使用者の行動パターンからすると、お酒のほうが競合と言えると考えているようですが・・。いずれにせよ、アルコール市場・製薬市場の顧客を奪いに今後もビジネスを続けると見られています。

Cronos Group (CRON)

NASDAQに上場しているカナダの大麻企業です。同社の主なビジネスは、カナダ市場において認可された医療用大麻を、認可された小売店に販売するというものです。同社の医療用大麻を使用する患者は急速に増えています。国際的には、ポーランドとオーストラリアで医療用大麻の事業を行っています。ヨーロッパ市場の覇権をめぐってTilrayと争っています。

以前に記事にしましたが、同社45%をアルトリアが取得すると発表がありました。アルトリアからの資金を得て、今後は成長に向けた投資を行うことになるでしょう。また、アルトリアの持つアメリカ規制当局(FDA)との折衝能力を活用し、アメリカの大麻合法化後にはアメリカ国内の大麻事業を急拡大することが予想されます。

ETFMJ Alternative Harvest ETF (MJ)

大麻関連の投資信託です。日本からはまだ投資できません。多くの大麻関連企業に投資していますが、フィリップモリスなどにも投資しています。

またこの投資信託は曲者で、2017年12月までは中南米の不動産事業に投資する投資信託だったのですが、「ビジネスチャンス」とみたのか大麻関連企業への投資に大きくシフトして、投資資金を得ることに成功しました。ということで、このETFの2017年12月以前の株価は全く参考になりません。。

Aurora Cannabis (ACBFF)

カナダにある大麻企業です。14か国に大麻製品を販売している大手で、同社のこれまでの成長はM&Aによりもたらされました。M&Aの資金を得るために増資を繰り返したことから株価が下落したこともあります。(大麻株はどれも乱高下ですが・・)競合のCanopyは娯楽用、対してAuroraは医療用にフォーカスしているといわれています。8月には、カナダ医薬局から大麻の薬用成分であるTHC, CBDを含むカプセルの製造認可を取っており、今後の売上増が見込まれます。また、Alcannnaという小売店と提携し、カナダとアラスカでの販路を広げて言います。

GW Pharmaseuticals (GWPH)

この会社はイギリスに拠点があり、NASDAQに上場しています。てんかん用の大麻医薬品がFDAに認可されるなど、医療用大麻の製品を販売しています。現在では、同じてんかん用医薬品のヨーロッパでの認可を待っているところで、早ければ2019年には認可される可能性があります。そうなると、さらなる成長が期待できるでしょう。

CannTrust Holding (CNTTF)

比較的小さな企業ではあるのですが、2つの生産拠点から大麻の油脂製品を製造、販売する企業で、なんと2018年第3四半期現在で利益が出ています。

2018年9月末までの3四半期で、売上約3000万カナダドル、純利益は1196万カナダドルです。ただ、利益のうち1722万カナダドル相当は、在庫評価益ですが・・・。

デンマーク、オーストラリアへの医療用大麻販路を持っており、ブラジル・メキシコ・ドイツへの販売も開始する予定です。とはいえ大手との競合も激化しており、予断を許しません。

Innovative Industrial Properties(IIPR)

アメリカメリーランド州にあるREITです。大麻は主に室内で製造されますが、大麻製造建屋を保有し、大麻企業に貸し出すという不動産ビジネスを行っています。大麻ビジネスは連邦レベルでは違法ということもあり、なかなか製造拠点を提供してくれる会社はなく、同社は強い交渉力を有しており、高い収益性を実現しています。ただし、アメリカで大麻が合法化されたら、同社の高収益は維持できないと思いますが・・・。

Namaste Technologies (NXTTF)

これは「大麻のアマゾン」を目指すオンライン販売企業です。20か国で30もの大麻販売のウェブサイトを運営しています。カナダ医薬局から、オンラインで医療用大麻を販売する許可を得ています。ネットで医療用大麻を処方することができるのは、同社のサイトがカナダでは初となります。オーストラリアでは、大麻に関するウェブトラフィックの95%は同社のサイトに集中しているということで、カナダ・アメリカ以外でのビジネスの拡大を目指しています。世界中でユーザーは150万人も居るということで、今後の成長が期待されます。

どの大麻銘柄が有望なのか

大麻市場の成長は緒についたばかりですし、現在はさながら戦国時代です。5年もたてば、業界地図はガラッと変わっているものと思います。大手企業で規模の経済により現在は優位な立場にたっている大麻企業であっても、市場全体が成長すれば、優位性の源泉たる固定費の相対的な割合が減る(つまりほとんどが変動費)になるので、大きい会社だからコスト競争力がある、という状況を維持するのが難しくなります。市場全体が不確実で、誰が天下人になるか分かりません。(1550年くらいの日本ですかね。まさか今川氏に人質として来ている竹千代が、将来の天下人・徳川家康になるなんて誰も思いません。。)

私としては、オンライン販売のナマステテクノロジーズなど興味深いですが、いかんせん日本から投資できない・・・と思います。

大麻の個別株投資は、あまりにも不確実性が高いのです。上記の通り、ETFも怪しげです。

リターンは限られるかもしれませんが、大麻企業を既存事業に取り込むということで、アルトリアグループ・コンステレーション・ブランズへの投資が、大麻企業投資としては適当なのかな~と思います。

もちろん、大麻市場が非常に詳しい人は、投資チャンスが見えるのでしょうが・・・日々市場が成長し、いろんなプレイヤーが現れるので、私はどれが一番いいのか検討もつきません。

個人的にはアルトリアに続き、ブリティッシュアメリカンタバコも大麻企業への出資・買収を通じて大麻産業の成長に乗ってほしいところです。(そして株価なんとかして・・(笑))



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スモーク

スモーク

新卒日本企業→豪州駐在→豪州企業転職→日本に帰り日本企業転職→外資系企業転職で今に至る。オーストラリアには7年在住。豪州株がポートフォリオの主力。年間受取配当金とブログ収入で税後で年間300万円を得ている。すでに経済的自由は達成も、まだまだ資産と配当金を伸ばしていきたいと考えている。

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